エコカー選びのポイントは、種類をよく知ること
環境に配慮しているという意味の「エコ」と自動車の「カー」を組み合わせた造語が「エコカー」です。言葉自体はニュースなどでよくみかけますが、実はもともと明確な分類があったわけではありません。ですが、平成21年にエコカー減税がスタートしたことから、その対象になる電気自動車やハイブリッドカー、排出ガス量が少ない車のことがエコカーとしてはっきりと認識されるようになってはきています。
エコカーを種類別に紹介
ここでは、現在市販されていて「エコカー」と呼ばれているものについて、種類別に紹介していきます。名前から受けるイメージと実際の「エコ度」、理由価値というのは随分違うものです。購入の際はあまり印象に惑わされないようにしたいものです。
※エコカー減税を目的にエコカーを購入する場合には、必ず希望の車がエコカー減税の対象かどうかを確認しておきましょう。また全国の都道府県では自動車税のグリーン化税制も行なわれています。
電動機だけで走る「電気自動車」
例)
日産:5ドアハッチバックの電気自動車「リーフ」
三菱:リチウムイオン電池使用の「アイミーブ」
テスラモーターズ:セレブ御用達の「テスラ・ロードスター」
まったく排気ガスを出さないことから、現時点で環境にもっとも優しい車といわれています。給油は必要ないものの、充電は必須。ですから、電気自動車を所有するなら家に充電設備をつくる必要があります。
また、ガソリンスタンドのように「充電スタンド」が設置されている場所もいくつかあるので、そこで充電をすることもできますが、まだ数は十分とはいえません。しかも現時点では、充電スタンドを設置した駐車枠があっても他の車が駐車してしまうケースが多かったり、そもそも採算が低いために広まりにくかったりとまだまだ一般的に電気自動車が普及する下地は整っていないといえます。
エンジンと電気の両方を利用して走る「ハイブリッドカー」
例)
トヨタ:世界初のハイブリッドカーとして有名な「プリウス」、プリウスの後継車種ともいえる「アクア」、ハイブリッドモデルが加わった「カローラ」「エスティマ」「クラウン」など
日産:5人乗りセダン「フーガハイブリッド」、ハイグレード車種「シーマ」など
ホンダ:全タイプハイブリッドの「CR-Z」、グッドデザイン賞受賞の「アコード」など
スバル:安全性にもこだわった「XVハイブリッド」
三菱:自分で発電もできる「アウトランダーPHEV」
プリウスの登場で一躍有名になったハイブリッドカーは、現在もっとも選ばれているエコカーといっていいでしょう。エンジンを電気モーターでサポート、もしくはエンジンのみで走行など切り替えができます。
実際どれくらいエコなのかということについては燃費などの面で疑問視する向きもあり、今後もハイブリッドカーがエコカーの軸になっていくのかどうかは微妙なところです。
大気汚染物質の排出を抑えた「クリーンディーゼル車」
例)
日産:「ポスト新長期規制」に世界ではじめて対応「エクストレイル20GT」
三菱:人気のミニバンタイプ「デリカD:5」など
マツダ:クロスオーバーSUVの「CX-5」
ハイブリッドカーの知名度に押され気味ではありますが、今後覇権を伸ばしてくるのではないかと予想されているのがこの「クリーンディーゼル車」です。日本ではまだまだ普及していませんが、欧州ではいろいろな車種が発売され、どんどんポピュラーになってきています。
もともとディーゼル車はガソリン車に比べて燃費がよく、二酸化炭素排出量が少ないというメリットがあります。それに加えてクリーンディーゼル車では、普通のディーゼル車に比べて粒子状物質や窒素酸化物の排出量がぐっと抑えられています。
まとめると、環境のことを考えるなら電気自動車、今後期待されるのはクリーンディーゼル車となりますが、どちらももう少し選択肢が増えるのを待ったほうがよい感があります。となると、現状日本でのチョイスはハイブリッドということになるでしょう。